これから先もずっと一緒に年齢を重ねていけると思っていたのに。。。
病気で愛する人を失う
事故で愛する人を失う
どちらの方がより悲しみが深いとは言えませんが、パートナーを失うことが自分の今を失うという大きな喪失感に繋がることは良くあります。
今の自分を失うということ
自分の今を失う、とは言い換えると
今、ここ、を感じながら生きられなくなることという意味です。
今、ここを感じながら生きられない。という自分の今を見失った状態に陥ると、当然ですが、人生の選択、決断、行動が難しくなります。
パートナーとの別れは残された側の人の心の中に、
どうしてあの人が。。。
これからどうやって生きていけば。。。
もっと大事にすればよかった。。。
自分が気がついてやれなかったから。。。
というような大きな後悔や罪悪感を残しやすいものです。
そして、その大きな後悔や罪悪感のために
もう自分の人生も終わった。。。
どうして自分がこんな目に?
何もかもがもうどうでもいい。。。
というような深い空虚感や不足感を何年も何十年も抱えたままで生き続けてしまうという方も少なくありません。
そして、その深い空虚感や不足感の中で自分が守るべき子どもの存在や、自分を叱咤してくる親の存在などがあると
わたしが悲しんでいるままでは子どもが悲しめない。
わたしがしっかりお世話しないと、頑張らないと!
と、自分の気持ちに寄り添う余裕がないまま頑張ってしまったりします。
その気づかぬ頑張りを繰り返しながらも、心の中では
戻りたいけど戻れない
会いたいけど会えない
という相反する想いに、自分自身の寂しさや喪失感と向き合うことが難しくなります。
そうしていくうちに少しずつ、自分に対しても周りに対しても
もういいや。。。
もうどうでもい。。。
と人生を諦めやすくなってしまうという事も起こりやすくなり
このような状況の中で、仮に周りからの励ましの言葉を
もらえたとしても、その言葉は余計に心のストレスになるため、周りの人に対して心を閉ざしてしまうという事も良くあります。
自分だけ世界から取り残されたような感覚の理由
パートナーを失うことが、あなた自身の今の世界を失うという大きな喪失感に繋がることは良くあります。
それはパートナーなど大切な人を失うという喪失体験は
世界から自分だけが切り離されている
自分だけが置いてけぼりになっている
というトラウマの感覚と非常に似ており、だからこそ、そんな毎日はこれから先の人生を
どう生きていけばいいのかわからない
という不安や絶望感でいっぱいなものにさせてしまうのです。

そんな不安や絶望感に自分が包まれているあなたに、わたしは伝えたいこと、覚えていてほしいことがあります。
それは、人は二度死ぬ、という言葉です。
誰が言ったか分かりませんが、この言葉は人が死ぬのは、
一度目は自分の肉体が滅んでしまった時で、
二度目は自分を知っている人から忘れ去られた時だ、という意味だそうです。
わたしはこの言葉が、肉体の死と精神の死という、
亡くなった相手のことだけではない、そして自分だけのことでもない、自分と相手との互いの関係性との間で成り立つ死生観を見事に表している言葉だと思っていて、わたし自身も非常に大事にしている考え方です。
大事なあの人は姿形は見えなくなってしまった。
それでもあの人は自分の心に生き続けている。
これを本当に心から納得できるまで必要な時間はそれぞれだと思います。
これを聞いて、
キレイごとを言われたくない。
あの人はもうどこにも居ない。
心の繋がりなんて意味はない。
そう思う気持ちもよく分かりますし、何よりわたしもそう思っていたひとりです。
自分ごとですが、わたしは子どもをお腹の中で失った時に、自分の心も一度死にました。
それでも自ら自分の命を絶たなかった理由のひとつは、戸籍にも残すことができなかったあの子の存在をこれからもずっと覚えていられるのは自分だと、あの子が確かに存在した証を証明できるのはわたししか居ないんだ、と思ったからでした。
だからこそ、
大事な人を失った人たちが生きていく為に
あの人を忘れないために生きる。
あの人の生きた証のために生きる。
あの人を生かし続けるために生きる。
それを心の支えやお守りにして生きる時があってもいいと私は思っています。
そういう意味でも、この人は二度死ぬというこの言葉は、喪失体験をした残された人にとって生きていく力に出来る言葉だとわたしは思っています。
これからのあなたのために
死別という受け入れ難い体験の意味を、死という別れだけから見るのではなく、生という未来からも見ていくことで、大切な人との絆や繋がりが紡ぎ直されていきます。
これがグリーフケアの最大の意味であり、あなたの人生の紡ぎ直しでもあります。
先に去っていった人が残った人に教えてくれる最大のものは「命」ではないかとわたしは思います。
大事な存在を亡くしたあなただからこそ、大事な存在を心で生かし続けることができる。
その生きている時とは違う「繋がり直し」をできるのはあなたの他には居ないのだ、とわたしは思います。
だから、どれだけ苦しい経験であっても、「自分の人生や自分自身を受け入れる」というのはとても大事なんです。
自分に起こったことを自分が受け入れていく
これって実はとても勇気と覚悟が必要なんです。
某パンのヒーローであれば、設定上ですでに愛と勇気が友達ですが、わたしたちは人間なので、友達は自分で選び、作っていかなければなりません。
人に対して頼る勇気
と
自分のすべてを受け入れる覚悟
があなたの人生を少しずつ変えていきます。
避ける
逃げる
除ける
から
丸ごと抱える、というイメージでしょうか。

この記事を読んで下さったあなたが「これからの自分」のために、ぜひ勇気と覚悟を持つことに
目を向けてもらえるきっかけになれば嬉しいです。
そして自分と向き合いたい、自分を受け入れていこう、人の力を借りてみようという勇気が出たその時はいつでもご相談下さい。
あなたのこれからの人生の為に精一杯サポートさせて頂きます。