自死で大事な人を失ったあなたへ

それは突然の出来事だった

その知らせを聞いて呆然とした

その姿を見ても信じられなかった

自死で大事な人を失った方が、あの日について話される時によくそのように言われます。

そしてあの日からの日が浅ければ浅いほど、

その口調はとても淡々としていたり

顔には全く表情が見られなかったり

まるで自分に起こった出来事ではなかったかのように、感情を切って無の状態で話される方が多いです。

自死で大事な方を失った方は、グリーフの状態になることにも時間を必要とすることが多くなるのは、「その事実を受け入れる」ということそのものに、とても時間がかかるからだと思います。

答えを聞きたいあの人がもう居ない

大事な人を自死で失うと、

なんでこんな事に?

どうして死んでしまったの?

というような、なぜこの結果を本人が選んでしまったのか?という疑問をずっと問い続けるにも関わらず、その答えをもらいたい相手は、もうここには居ないので答えをもらえない、という状況が起こります。

答えがないので、どうしても自分の中で答えを探し続けることになります。

それでも、自分の中で一生答えが得られることがないので、自分の悲しみや辛さに没入することができないんです。

悲しみや辛さに没入できないというのは自分がその感情を感じないことではなく、感じているたくさんの気持ちを抑えることで何とか事実に適応している状態、を言います。

自分の気持ちを出さず、大きく悲しんでいる様子も見せないので、時に周りの人に、あなたは強い、思ったより平気そう、と見られることもありますがそれは違います。

自分の気持ちや本音や欲求を感じることに耐えられず、押さえつけて対応している時こそ危機の状態なんです。

誰にも言えない想いを抱えて

大事な人が亡くなったという事実だけでも受け入れられない!と否定したいのに、自死という理由がよりその事実を受け入れたくない!と拒否してしまいます。

特に家族内で起こってしまうと、周りの人に事実を隠して話せなかったり、家族の中で話をすること自体タブーになったりして、事実を人に話せなくなることも多く、

罪悪感自責

恥ずかしさ惨めさ

が自分の中だけでより大きく膨らんでしまうことがあります。

時間の経過と共に、自分の本音や気持ちよりも

どうして気づいてやれなかったのか?

なぜ助けてあげられなかったのか?

そのような相手への後悔自責の方へと気持ちが向いて、自分のグリーフの状態になかなか気がつけない状態になりやすいんです。

もっと生きるはずだった、あるはずだったあの人の未来を自分が生きていくことに重ねて、罪悪感と義務感で日々をやり過ごしている方も多く居られるのが現実です。

受け入れられない。

信じられない。

その気持ちはまさに、

受け入れたくない。

信じたくない。

という心の底からの魂の叫びでもあるのではないでしょうか。

だからこそ今のあなたに必要なことは、自分を責めていることに気がついてあげることだと思います。

自分を責めているあなたを、あなたがまず受け入れてあげることだと思います。

そして何より、罪悪感や恥ずかしさを持つ自分が悪い訳ではないんですよ。

むしろそれは自然な感情です。

むしろ、

起こった出来事を受け入れることが

あなたは何よりつらいのではないでしょうか。

何よりも痛くて苦しいのではないでしょうか。

本当の自己受容とは?

それは当たり前のことです。

事実だと信じたくない。

事実だと認めたくない。

事実だと受け止めたくない。

それが今のあなたであるならば、その自分をそのまま見てあげたらいいと思います。

人は人の選択に口や手を出すことはできません。

たとえそれがあなたにとって悲しくつらい選択であったとしても、その選択をあなたの力で変えることはできません。

だからこそ。

死を選んだあの人の選択に、あなたが自分を責めることをしなくていいんですよ。

悲しい事実は受け止めないといけないけれど、その人の選択を受け入れて生きられるようになること。これがあなたがあの人と自分のために出来ることです。

人の選択はその人のものです。

あの人が選んだ選択も、あの人のものです。

その選択が死であったとしても、それがあの人の選択だったのだから、どれだけ悲しく苦しかったとしても、それを受け入れるために今のあなたの心を向けていくこと。

あなたにはどうすることも出来なかった。

でもそれは、あなたが悪いんじゃない

あなたのせいではないんです。

人の人生の前で、自分が無力になることは仕方のないことです。

なせならそれは、あの人の人生は、あの人のものだから。

今の自分をそのまま受け入れること。

あの人の人生をそのまま受け入れること。

これが本当の自己受容であり、他者受容です。

それこそが今のあなたに必要なのに、何より避けてしまっていることかも知れません。

自己受容は自己と言っても、自分ひとりだけでは難しいんです。

自分を受け入れ認めるためには、そこに必ず人の存在が必要です。

あなたの抱えている

あの人はなぜこの選択をしたの?

どうしてこんなことになったの?

答えの聞けないなぜ、どうして、を誰に判断されることなくそのまま一緒に聞いて一緒に受け止めてくれる存在が、今のあなたには必要なのだと思います。

今すぐに未来を見る必要はありません。

完全に乗り越える必要もないと思います。

ただ、今のあなたが少しでも、自分の本当に感じている気持ちを自分が聞いてあげようと思った時には、側で共にサポートさせて頂きます。

どうぞ安心してご利用くださいね。