心にモヤモヤを抱えるあなたへ。

なぜかある人のことを思うとモヤモヤする。

どうしてかある場面でモヤモヤしてしまう。

最近、このようなお話を聴く機会が多くありました。

理由が分からないモヤモヤを経験している方は実は多くおられるんです。

感じることを避けてしまうのがグリーフ

何か分からないけどモヤモヤする。

特にグリーフの経験はそのような言葉にならない想いを抱えることでもあります。

そもそも、グリーフの傷は「言葉にできないもの」であることが多いように思います。

心の底で気持ちを感じている。

身体でも何かを伝えている。

それでもその自分の感じているものを避けようとしてしまうのがグリーフだと思うんです。

言葉が気持ちに追いつかず、自分の気持ちを表す言葉が思いつかないし、見つからない。

話したところで想いを表現できているとも思えない。

それがグリーフの体験ではないかと思うんです。

だからこそ大事な存在を失う経験は、

自分の気持ちを失う

自分の身体の感覚を失う

自分自身を失う

という大きな傷となります。

グリーフケアは、そのあなた自身が

見ないようにしてきた

感じることを避けてきた

自分と切り離そうとしてきた

大きく深い傷に気がついていくことではないかとわたしは思います。

そしてそれは大抵が自分にとって拒否、拒絶したいものであることが多いです。

それが

何だかモヤモヤする。

気持ちが揺れる。

そのような合図となってあなたに知らされています。

閉じ込められたモヤモヤ

わたし自身もそのモヤモヤ体験を最近経験しました。

わたしが子どもを失ったのはもう約10年前ほどになるのですが、その間に色々な経験や出会いもあり、自分のグリーフの体験を段々と客観的にも見ることができるようにもなってきました。

そんな今でも、妊婦の時代に知り合った人に対しては、今でも自分から会おうとする気持ちが出ず、誘いがあってもモヤモヤして避けることさえあります。

そのような自分を責めることはなくなりましたが、何か引け目のようなものを感じている自分はいるのだろうと思っていたのですが、大きく気に留めることはありませんでした。

けれどこの前、このモヤモヤの正体が自分の中で分かったんです。

わたしは保育士もしているので、職場ではもちろん子どもを育てているお母さん達との交流もあるワケです。

そうした中で、先日たまたま保護者の方の前で自己紹介をする機会がありました。

保護者の方から発信されるお子さんの話やエピソードは心が揺れることはないのですが、自分から発信する自分のことについてとてもモヤモヤとしたんです。

わたしは職場では自分のグリーフの経験は大きく伝えることはしていません。

よく話の流れで、先生は、お子さんはおいくつ?と聞かれるのですが、その時わたしは子どもはいないんですよ。と答えるようにしています。

保護者の方に聞いてはいけないことを聞いてしまった、と思われてしまわないようにそのように答えていますが、むしろ、その返答でもあ。。。と気まずい顔をされる方もいらっしゃるのが現実です。

なので園では自分から積極的には子どものことには触れないようにしているのですが、自己紹介では自分から自分のことを発信する機会となります。

子どもはいません。

それはたった一言の言葉ですし、園にいる時のスタンスとしてそう言っているだけだとわたし自身は割り切っているつもりでいたのですが、そこにわたしのモヤモヤの正体がありました。

もちろん、以前からわたしの中にあった

大切な存在を失った。

わたしにとって子どもは幸せの象徴だった。

わたしは幸せを失った。

というその時の気持ちであり、

みじめな自分

自分だけ出来ない劣等感

自分には足りない不足感

そのような自己否定の中に居る自分も同時に思い出してしまうものでもあるので、わたしが感じることを極力避けてきたからこそのモヤモヤです。

幸せな時の自分と、幸せを失った時の自分との落差が大きすぎて、幸せの時の自分だけを知っている人を避けたい気持ちになっていたのが、妊婦時代の自分しか知らない人と会うことがモヤモヤする一因になっていました。

その何とも言えない気持ちがわたしのモヤモヤの正体であり、もうひとつの正体を知るキッカケともなりました。

わたしのもうひとつのモヤモヤ。それは、本当は心の中に深く存在しているのに子どもはいません、と言う自分に対して大きくウソをついているように感じてその自分が嫌でたまらなかったこともモヤモヤの大きな原因でした。

息子が存在したことを無かったことにしたくないのに、自らそれをしているようで、その自分に対して心から「ごめんね。」という言葉が出てきました。

わたしは自分のモヤモヤを感じることを避けたくて、

仕事上都合がいいから。

相手に気を遣わせないため。

と上塗りして閉じめていたんです。

だからその言葉にならない閉じ込められたままのモヤモヤが、自己紹介という場面をキッカケにして、心の底で固められたままになっているみじめさやウソつきの自分にかなしんでいるわたしがここに居るよ。とその存在を知らせていたのだと思います。

モヤモヤの正体を知るには

これはそのように行動する自分の行動を変えようということではありません。

わたし自身、これからも仕事上として今までのような対応をすることは続けると思います。

それでもこの心と身体のモヤモヤは、

もう無視しないよね。

だから

わたしが見つけて、

わたしが探して、

わたしが共に居ようね。

と気がついてあげることが大事なのだと思います。

グリーフケアは、自分が触れないようにしてきた本音から外してきた気持ちにあなたが気がついていくことから始まっていくとわたしは思っています。

あなたのモヤモヤは、あなたにその存在を伝えています。

そして、あなたに本当の気持ちを伝えています。

あなたが今、モヤモヤを感じているなら、それは今があなたの置き去りにしている本音に気がつける機会なのかもしれません。

グリーフケアは、あなたがあなたに気がついてくその過程を共に居ることで、あなたが人から支えられることで自分自身を支えていくことができるようになるために、人と場所と場所を提供しています。

そこで安心できる人、場所、時間と共に、横に置いてきたままのもうひとりの自分に気がついていくことは、グリーフを経験した方にとても必要なことだと思います。

あなたが他者から受容されることで、自分を受容していけますように。

そしてそこから相互受容が生まれていきますように。

どうぞ安心してご相談くださいね。