日頃から大丈夫、という言葉はよく使う言葉だと思います。
特に気に留めずに使っているかもしれませんが、「大丈夫」という言葉は、様々な意味を持ち、色々な見解ができる言葉でもあります。
自分に対して大丈夫という言葉をかける時、あなたはどのような気持ちで言っているでしょうか?
自分なら大丈夫と思えること
喪失体験を経験すると、自分に対して大丈夫と言うこともあれば、周りから大丈夫?と心配されることもあると思います。
このような時にあなたに必要な大丈夫とは、どのような事が起こっても自分なら大丈夫!と自分に対して思えること。ではないかとわたしは思います。
それは自己肯定感でありあなたの人生の支えやお守りとなってくれます。
そしてこの自分なら大丈夫と思える自己肯定感は、喪失体験で大きく影響します。
それは大事な存在を失った時に、自分が頑張らなければという奮起や、相手を見返してやるという復讐や、なかったことにして進もうと距離を置くこととは、似ているようで違うものだとわたしは思います。
大丈夫、と前向きに進んでいくことは、自己肯定感が高いようにも見えるかもしれません。
けれどこれらの場合の大丈夫は、自己肯定感とは違うものです。
自分が頑張らなければと奮起させて動くことは、頑張らない自分を否定しています。
これは自己否定となります。
相手を見返してやると復讐のために動くのは、傷つけられた自分を拒否しています。
これは不健全な自己愛となります。
傷ついた出来事がまるでなかったかのように振る舞うのは、これ以上傷つくことを避けています。
これは回避型の愛着となります。
大きな喪失体験をすると、これらの自己否定や不健全な自己愛や回避型の愛着が、あなたの中から顔を出しやすくなります。
行動としては前を向いて行動しているように周りからは見えることもあると思います。
それでも大事な存在を失った時に大切なことは、すぐに動き出せることではなく、
安心して立ち止まれること。
つまり、自分の中に自己受容を誰かと共に育てることだとわたしは思います。

自己肯定感を育むには?
喪失体験をしてあなたが絶望の底にいる時に必要なことは、すぐに立ち上がることでもなく、周りを安心させることでもなく、起きた出来事を忘れることでもなく、
かなしい時にそのままの自分を受け止めかなしんであげること。
苦しい時にその気持ちを誰かと共に外へと安全に出せること。
怒っている時に気持ちを抑制せずに自分が認めてあげること。
寂しい時にその寂しさをひとりだけで抱えてしまわないこと。
つらい時に自分のつらさを誰より自分が分かってあげること。
今の自分の全ての気持ちをそう感じているんだな、と自分が受け入れてあげること。
この自己受容が何より必要なことです。
自己受容があってこそ自己肯定感は育まれていきます。
今のあなたが感じていることや状態を、
「今の自分はそう感じているんだな。」
「そうなんだな。」
とあなたが受け入れていくことが傷ついたあなたに何より必要なことです。
何が起こっても自分はへっちゃらで挫けたりしないから自分は大丈夫!なのではなく、何かが起こったらかなしいしつらいし、腹が立つし悔しいし、虚しいし寂しいけど、わたしのこの気持ちはわたしがしっかりと受け入れて認めてあげられるからこそ、自分は大丈夫!と安心して思うことができます。
傷ついた心には、まずは自己受容が必要なんです。
これは自分ひとりだけで感じられるものではなく、誰かの存在があってこそ安心して感じられるものだとわたしは思います。
喪失体験は起こらないように防げることはできません。
誰もが人生の中で大事な存在を失うという経験をします。
その衝撃は大きいからこそ、大丈夫ではない自分をあなた自身が受け止める自己受容と、そのままのあなたを自分が肯定できる自己肯定感の大きさが、心にダイレクトに影響を与えます。
自分を大切にするとは?
それでも大事な存在を失った後に自己肯定感に目を向けようと思っても、自分を大切にしようという気持ちになかなかなれないこともありますし、そもそも自分を大切にしたところであの存在はもう戻らないのだから意味がないと感じるかもしれません。
だからこそ、そんな虚しいことに目を向けるよりも、大丈夫な自分にしてしまおうとすることは当然の気持ちでもあると思います。
もしも今のあなたが、大丈夫だと自分に言い聞かせて保っていないと崩れてしまいそうに感じるなら、すでに今のあなたは心の地盤が大きく破壊されて、その場に呆然と立ち尽くしている状態なのだということを誰かと共に確認してみてほしいとわたしは自分の経験からもお伝えします。
あまりにもつらい自分に対して大丈夫!と言ってしまうのは、あなたがあなた自身を誰より大切にできていないからかもしれません。
大事な存在を失った今、自分を大事にしても無意味だし仕方がないと感じているとしたら、そこにあなたの過去からの心の傷が疼いてしまうからかもしれません。
大事な存在を失った自分を大切にすることに意味を感じられないとしたら、それはあなたの自己肯定感が大きく傷ついてきたからだとわたしは思います。
グリーフケアは、大事な存在との関係性の繋がり直しもしますがあなた自身との関係性の繋がり直しもします。
大事な存在を失ったことであなたの過去からの「自分を大切にできない」という心の傷が出てくることはよく起こることです。
そしてそれは、失った大事な存在からあなたへの贈り物であることも、これもまた多いものです。
あなたが今まで誰かや何かに守られ支えられることで自分を大切にしてきたのなら、この喪失体験は、あなたが自分で自分を守り支えることで自分を大事にしていく機会となります。
グリーフケアを、ぜひあなたが自分自身との関係性を見つめる機会にしてください。
そのためにグリーフ専門士のわたしたちの存在があります。
どうぞ安心してご相談くださいね。

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