誰にも言えないあなたへ。

喪失体験をした方の中には、話をしようと思っても話をすることが難しいと感じられる方もおられます。

話をしたくても、話すことそのものに抵抗があったり、話してしまうとどのように思われてしまうのだろうという不安からためらったり、喪失体験を誰にも言えないと悩まれている方もおられます。

話せない理由。

誰にも話せないことの理由として、話したくないというだけでなく、聞かれたら困るような背景があったり、知られることを怖がる気持ちなどから、話したくても話せないどう話せばいいか分からない、という事情や想いを抱えておられることもあります。

誰かに聴いてほしいと思っても、話そうとする事実の中に自身の大きな後悔や罪悪感があったり、とてもじゃないけど受け入れられないことが存在していたり、周りの人に知られてしまうことで自分が耐えきれなくなると感じていたりするなどの様々な事情があることもあります。

自分だけで抱えることが苦しいと感じていながらも、

人には話せないと感じる。

話すと余計につらくなる。

というように、話すことに対する拒否の気持ちが強く出てしまい、人に話すということそのものに大きな不安感や恐怖感を持っておられるのだと思います。

それほどの拒否感を感じるというのは、あなたが相手を信用できないとか、相手からどう思われるかということよりも、話すことを躊躇うくらいそれほどまでに残酷な事実があなたを苦しめているからではないかと思います。

そのような時に、自分に起こった事実を全てそのまま話す必要はないとわたしは思っています。

それでもそれは、誰にも話せないままでいいということではありません。

誰かに話を聞いてもらうことはとても大切なことです。

ただ、もしかするとあなたは人に話をするという時に、起こった事実を相手に対してそのままをありのままに話さなければいけないと思うから、自分自身を追い詰めてしまいまうのではないでしょうか。

それは、起こった事実があなたを苦しめている時に、あなたに無理矢理すぐにこの事実を受け入れろと脅されているようなものなので、誰にも言えないという状態になったり、誰にも話せないと心が感じてしまうのは当然だと思います。

あなたが今、自分に必要なことは、起こった事実を全てそのまま相手に話すことなのではなく、あなたの今の心境や感じている気持ちをそのまま受け止めてもらうことだとわたしは思います。

なぜ喪失体験を誰かに話すことが必要なのかと言うと、それは話す内容が事実かどうかではなく、あなたの今の気持ちがどのなのかを話すことが必要なことだと思うからです。

話せないあなたに覚えておいてほしいこと。

もしも、今のあなたが事実を話すことがあまりにもつらく、苦しくて耐えられないと感じるのであれば、あなた自身が願う、こうであればいい。こうあってほしい。そう自分の中で描くストーリーを話しても構わないんです。

喪失体験を経験したあなたにとって、事実を話すことよりも、今の本音をあなたが心の中から自分の外へと出していくことが何よりも必要なことだからです。

そして、このように自分の中に事情を抱え込んでいる方というのは、人に話せないと感じている分、日常生活においても周りの方から見てまるで何もなかったかのように、必死に元気に明るく今までと変わりないように振る舞って、必死に起こった出来事や自分の気持ちまで隠すかのように過ごしていることが多くあります。

だからこそ、やっとの思いで自分のゆるす範囲内でどうにか誰かに対して話ができた時に、自分の抱え込んでいた抑えていた気持ちが溢れて、静かに涙を流されることも多いんです。

誰にも言えないといういつも張り詰めていた心が、少しだけ解けて、緩んでいく瞬間です。

そのような時というのは、お話を伺いながら「ああ。きっとこの方は、本当はずっと泣きたかったんだろうな。。。」と深く伝わってくることがあります。

泣くことを自分にゆるせないほどに、もしかするとこの残酷な事実を信じられないことの方が自分にとっては幸せだと思われているのかもしれないと感じることさえあります。

もしかすると、そのようなあなたを追い詰めているのは残酷な事実だけではなく、それほどまでに追い詰められている自分を、話すことさえゆるさないと鞭を打ち続けるあなた自身だったのかもしれません。

だからこそ、そのようなあなたに覚えていてほしいと思います。

喪失体験の話をするのが大切だと言われるのは、起こった事実の内容をありのまま話すかどうかということではなく、あまりにも残酷な事実を目の前にしているあなた自身のその気持ちを誰かと分かち合い自分の外へと出すことであることと、

あなたが誰よりもあなた自身を後悔し、責めて、否定し、拒否しているのであればなおさら、そのあなたの今の想いや本音を、聴いてもらい、受け止めてもらうことが必要だからです。

話すことの必要性。

わたしは、このように喪失体験を自分のせいだと感じておられる罪悪感をお持ちの方に、喪失が起こったのはあなたのせいではない、とお伝えしています。

罪悪感が強いほどに、そのような経験をしてしまった自分が悪いのだと感じ、人に自分を話すことをためらわせてしまいます。

それでも罪悪感を無くそうとする必要はありません。

罪悪感を持っているあなたを、そのまま共に受け入れていきたいと思うからです。

あなたがこの喪失に責任を持ち続ける必要はありません。

あなたが責任を持つのは、あなた自身の気持ちに対してでいいとわたしは思うからです。

自分の話せる事実や作ったストーリーでもいいんです。

あなたがこの喪失が起きたことによって感じている

自分の本音を外に出してあげること。

外に出すことで、誰かにその本音を受け止めてもらうこと。

受け止めてもらうことで、あなたがあなたを分かってあげること。

それが必要だとわたしは思います。

誰かに自分の気持ちや本音を話して、その想いを分かち合うことで、自分への理解が深まり、全てをひとりだけで抱える必要がないことに気がつかれていく方はとても多いんです。

話せないという気持ちの中には、ゆるせないという想いが強く入っているようにわたしは感じています。

まずは自分の気持ちや想いを誰かに話すことで、もう一度、起こった事実に対して違う視点を持って見つめられるようになり、自分が自分自身をゆるしていくきっかけの一つになっているという方は、実は多いと感じています。

あなたが今、自分の喪失体験を誰にも話せないと感じているなら、まずは今の気持ちだけを聴いてもらうだけでいいとわたしは思います。

つらい、苦しい、耐えられない。

その心に溜まっている想いを話すだけでいいと思います。

それでも今のあなたにとって、人に話すということはとても勇気のいることだと思います。

だからこそ、グリーフケアという第三者の存在が必要なんです。

第三者という日常的ではない相手であり、あなたが話したことがどこにも誰にも漏れる心配がないという時間と空間があります。

あなたの話せるだけの事実や、あなたの思い描いた事実からあなたの本当の想いを話してもらう相手として、あなたに負担をかけにくいと思うんです。

あなたがゆるせる範囲で、あなたが話せる内容で、あなたの話したいことで、あなた自身の今の気持ちや想いをどうかグリーフケアで話してみてください。

グリーフケアは、いつもあなたと共に在ります。

どうぞ安心してご相談くださいね。