もう何もかもどうでもいいあなたへ。

喪失体験をすると、人との関係性において相互性が一時的に機能しなくなります。

失った側からすると、自分のことも、周りのことも、何も考えられなくなる状態になることもあります。

感情が日々ジェットコースターのように大きく揺れ動くので、自分のその感情にさえ振り回されている感覚になる方もおられると思います。

感情に振り回されるのは。

さっきまで落ち着きを見せていたかのように心が静かだったのに、突然感情が溢れ出したかのように不安やかなしみに襲われて、泣き叫びそうなほどの状態になる。

苦しみ、嘆き、痛みを感じながら失った存在のことをずっと考えていたのに、ふと何かが音を立てて崩れ落ちてしまったかのように、何も感じない無の状態になる。

このような、あまりにも激しい感情の浮き沈みの状態を過ごしていると、自分の心が疲れていくのは当然ながら、周りの心も消耗していき、あなたに対してどのように接していいのかさえ分からなくなってしまい、喪失体験をきっかけに、誰との関係性も保てなくなってしまったと感じている方は多いように感じます。

自身の感情の浮き沈みが激しいと、

人との関係性

自分との関係性

そのどちらもに悩んでしまい、ただでさえ何をどうすればいいのかなんて考えられないのに、全てにおいて行き詰まりを感じてしまうこともよく起こります。

そして、あまりにも感情の浮き沈みが激しいと、自分の気持ちに自分が常に振り回されてしまっているようで疲れ果ててしまい、全てのことにおいて「もうどでもいいや。」という無気力でもあり、不安でもあり、逃げ出したくもなる状態になることがあります。

この喪失後のあまりにも極端で混乱する関係性において、重要な影響を与えるのが愛着スタイルではないかとわたしは思っています。

愛着とは、言わばあなたが他者や自分に対して

培ってきた安心感

育ててきた信頼感

築いてきた重要感

というあなたの心の土台となるものです。

そしてその愛着は、お互いの相互関係によって育まれていくものです。

互いのやり取りによって、愛着は心に根づいていくからです。

お互いにではなく、それが一方だけになると

求めるだけ

与えるだけ

という関係性を築きやすくなります。

求めるだけでは相手が離れていきますし、与えるだけでは自分が疲れてしまいます。

求めること。

与えること。

そのどちらもを互いに、

送り合うこと。

受け取り合うこと。

で心の需要と供給のバランスが満たされ

自分も相手も

信頼し

理解し

支え

守り

愛する

ことができるようになり、心が安心することができるようになっていきます。

それほど愛着とは、心の根っことも言えるくらいにわたし達の安心感に欠かせないものです。

なのでもちろん、関係性にとって不可欠な安心感の土台である愛着スタイルというのは、喪失体験にも大きく影響してきます。

愛着スタイルが喪失に与える影響。

愛着スタイルとは大きく4つに分かれていて、今の自分の状態がどのようなものか、人との関係性をどのように捉えているか、というあなた自身をより深く知る概念のひとつです。

もちろん、背景や環境や特徴などはそれぞれにありますが、自分の安心感がそもそも薄い状態なのか、そうでないかによって、物事の受け取り方や受け止め方は大きく違ってきます。

この喪失体験を経験したことで壊れてしまったと思っていた安心感が、実は今までずっと安心感を持っていなかったと気がついたことで、自分の人生での関係性そのもののを大きく見つめ直すきっかけになったと言われる方は実はとても多くおられます。

不安型の傾向を持つ人は、自分がひとりでいることそのものに耐えきれなくなり、失った存在と何とか共にあろうとしたりします。

回避型の傾向を持つ人は、失ったという事実そのものに耐えきれなくなり、今という現実を何とか距離を取ろうとしたりします。

未解決型の傾向を持つ人は、求めているけど怖いという矛盾そのものに耐えきれなくなり、自分の葛藤から自身を過剰に守ろうとしたりします。

このように、ひとつの関係性の喪失だと思われがちな喪失にも、過去のいくつもの関係性からあなたが信じ込んできた愛着スタイルが関係していることが多くあります。

愛着を育めていなかったから自分はこんなにも苦しんでいるんだ、と全てを愛着の原因にする必要はありません。

ただ、あなたの喪失体験があまりにも深すぎる場合、

あまりにも日々の自分の感情の浮き沈みが激しすぎると感じる場合、

それはその失った存在があなたの愛着の傷をケアしてくれていた可能性があると思います。

失った存在が、かけがえのない存在であると同時に、傷を癒してくれていた存在でもあったのなら、今のあなたの喪失は大事な存在を失ったというだけでなく、あなた自身も失ったという自己喪失の状態にあるのだと思います。

あなたの心の土台。

愛着関係が相互関係で成り立つように、喪失体験も相互作用が働くとわたしは思っています。

失った体験は、あなただけや、相手の一方のみだけの喪失ではなく、「互いの相互関係の喪失」となります。

あなたが大事な存在を失ったのであればなおさら、相互作用によって自分自身のみならず、相手から受け取っていたものや相手に送っていたものの喪失にもなり、大きなダメージをあなたの心に与えます。

そのような相互関係を伴うからこそ、喪失体験において外側からの支えと内側からの支えはとても重要です。

今までのあなたを傷から支えてくれていたその外側の存在を失った時に、本来であるなら自分自身が支えようとする内側からの支えも、愛着が不安定であることによる自己喪失や自己不信や自己否定によって、あなたはあなたを支えることが難しくなってしまいます。

この愛着スタイルの不安定さは、今のあなたが経験している喪失体験からのみ起こっているのではなく、過去の幼少期以前からあなたに起こってきた出来事が関係していることが多いんです。

だからと言って今すぐに愛着を安定させようとしても、それは人も時間も環境も必要なことなので、すぐにどうにかできるかは難しいですよね。

それでいいんです。

関係性の築き直しはすぐにできるものではないのは、仕方のないことです。

ただ、この喪失をきっかけとしてあなた自身の愛着スタイルに気がつくことはできると思うんです。

そして、この喪失体験を機にあなた自身の愛着スタイルを、今からのあなたの関係性で気づき、築き直すことはできるとわたしは思います。

自分の愛着スタイルにあなた自身が気がつくことは、あなたの心が本当に求めているものを知ることができることでもあると思うんです。

そしてその求めているものは、失った存在だけではなく、その存在からあなたが受け取っていた

信頼

理解

支え

守り

愛情

であることも多いものです。

失った大事な存在は、あなたの心から求めているものをずっとあなたに与えてきてくれた存在だったからこそ、あなたはこんなにも

かなしく

苦しく

つらく

痛く

失望している

のではないでしょうか。

どれほどまでにあなたにとってその存在が深く強く大きいものであったのか。

それをまず

大切に語り

大切に共有し

大切に思い出す

ことを、どうかあなたのために誰かと共に紡いでほしいと思います。

あなたが自分自身に気がついていく。

その過程そのものが、あなたの愛着の傷を癒していく過程でもあるからです。

今のあなたが、つらい喪失体験に苦しみ、何もかもがどうでもよくなっている状態にあるのなら、グリーフケアでぜひ今までの自分の愛着スタイルを見直してみてもいいのではないかと思います。

あなたがあなたでいられるように。

グリーフケアはいつもあなたと共にあります。

どうぞ安心してご相談くださいね。