福岡の心理セラピスト(リトリーブサイコセラピー)の前田ひとみです。
東日本大地震から、もう10年経つんですね。
あの日、あの時、心が消えてしまうような経験をされた方もおられると思います。
震災のように目に見える大きな傷としてではなく、自分の中で心を消してしまうような経験を持ってる方もおられることと思います。
自分が消えてしまいたい。。。
そう思ってしまうほどのアナタの心の傷。
もちろん起こった出来事や経験そのものを、無かったことにしてしまう事はできません。
そんな中、傷ついたアナタが時間と共に回復していくことは嬉しいこと。
けれど、
忘れてしまいたいほどの出来事や
痛くてたまらないほどの経験から
いざ自分が回復しようとしたその時に、アナタの中でそんな自分を許せない気持ちが出てくることってありませんか?
あの日、あんなに悲しいことがあったのに。
あの時、あんなに心が凍結したのに。
あれから、あんなに時が経っているのに。
それなのに、どうして自分はあれから何の変わりもなく過ごしているんだろう。
そんな心の傷を抱える人にとって、時間が経ち、段々と元気を取り戻していく自分すがどうしても許せないことはあります。
今日はそんな、回復していく自分を許せない心理
「心の傷の回復」というテーマで書いていきます。
どうしてアナタは
傷ついた自分を、
回復しようとする自分を、
そんなに許せないのでしょうか?
<本当の問題は何か>
傷から回復していく自分が許せない。
ここにあるのは、愛着、自己肯定感の問題です。
時が止まったあの場で、
もう消えてしまえたらよかったのに。
もう、生きることなんて終わればよかったのに。
わたしなんて、死んでしまえばよかったのに。
それほどまでに傷ついたアナタの心も、時間と共に癒えていくものは確かにあります。
そんな経験をしたにも関わらず、これまで自分はよく生きてきたと自分を褒めてあげる日もやって来たかもしれません。
それでも、あの日。
あんなに
苦しかったのに、
辛かったのに、
悲しかったのに、
虚しかったのに、
惨めだったのに、
悔しかったのに、
怖かったのに、
心が消えたのに、
生きることを選択した自分を許すことができない。
あの瞬間の自分が、ただ死ぬ勇気がないから生きるという選択をしたずるい人間にしか思えない。
あの傷ついた日から、ずっとずっと自分が自分のことを許せていないんです。
自分がこんなに傷ついたのは、自分が悪いからだと心の底では思っているんです。
もちろん、段々と頑張って生きてきた自分のことを認めることはできるようになっていきます。
しかしながら、
根本の根元の部分で、生きることを選択した自分をズルいと感じている。
裏切り者のような、卑怯者のような、そんな後ろめたさを抱えている。
許せないから、わざわざ
自分を傷つけるように
自分に罰を与えるように
自分が不幸でいるように
生きていってしまうんです。
だから苦しいんです。
自分なんている意味がない。
自分に生きる価値なんてない。
思いだしたままの自分の存在価値の無さや無力さを、ずっとずっと癒せていないんです。
<このままだとどうなるか>
この人生はいつ終わってもいい。
生きていても何も面白いことなんてない。
そう感じながら刹那的に生きることになります。
傷ついた自分。
ボロボロの自分。
どうしようもない自分。
アナタは、
この自分を誰かに見せようとはしていませんか?
見せることで、誰かに振り向いて欲しいと思っていませんか?
幼少期のアナタは、そんな不運で不幸で不遇な自分を見せることで親からの
関心
お世話
関わり
をもらえていたのではないでしょうか。
アナタは、自分を自分で
傷つけ
ボロボロにし
どうしようもなくすることで
親や人との繋がりを感じることができるんです。
そして、このままだと
こんな自分にしたのはアンタのせいだ!と
親のせいにして、親への怒りと恨みで生きていくことになってしまいます。
<解決へ向けて>
恨んでまでも繋がっていたい愛情。
この切ないほどのアナタの中にある愛情に気がついてあげませんか?
傷があることで繋がれるなら、アナタは傷がないと人と繋がれなくなってしまいます。
生きていくことが、ずっと傷つくことになってしまいます。
傷がないと人と関われない。
アナタは、自分の傷を利用しないと生きられないほど、本当のあたたかい、安心した繋がりを求めているんです。
アナタの傷は、もちろんアナタのせいではありません。
ただ、アナタの傷をこれからどうしていくかはアナタ次第です。
自分の生き方に気がついて、その生き方から傷を癒やし、回復するためにアナタができることは何でしょうか?
自分の傷を
そのまま見つめて、
そのまま感じて、
そのまま受け入れることではないでしょうか。
それはとても怖いことです。
今までのアナタは、それをずっとひとりで何とかしないといけなかった。
だから受け止めきれなかったんです。
その怖さに震える自分を、アナタはまた放っておきたいですか?
アナタが、
自分が自分を助けると決意する。
そう決めた時こそ、アナタの傷は回復へと向かいます。
ひとりでできないと感じるなら、周りの助けもぜひ求めてみてくださいね。