あの別れがあったから。
この喪失を糧にして。
想いを抱き、経験したこの喪失体験を無駄にしないように。
という強い決意を持つ。
そのような方は多いのではないかと思います。
この別れを無駄にしたくない想いの根源
これは、「自分のつらい経験をこれからの人生に生かしていこう」という前向きな姿勢だと思います。
この前向きな気持ちを持てるようになるまでには、それぞれにつらく苦しい時を過ごし、そこでもがき叫びながら過ごしてきた日々が背景にはあるだろうと思います。
あまりにも壮絶な体験だからこそ、その経験を無駄にしないことが喪失対象に対する深い想いや愛情を無駄にはしたくないという気持ちもあるのかもしれません。
けれど、その気持ちや想いが時として、早く前向きになりたいという焦りや、ずっと自分はこのままかもしれないという不安から
自分のここが足りないんだ!
自分がこうだからいけないんだ!
という自責に向かうことがあります。
その自分の自責の念から、何か行動を起こさずには居れなかったり、この経験を誰かの役に立てようとしたりと、自分にできることを必死に探した方もおられると思います。
そして自責の念が強いほどに、「このままではいけない!」と今の自分をどうにかして変えたくなるのも当然の気持ちかもしれません。
この気持ちそのものは当たり前に起こるものではありますが、行動として「あの時、自分がこうしたからいけなかったんだ。」と自責から自分を変えようとすると、今と真逆の自分になろうとしがちになります。
この時の「この別れを無駄にしないために」という気持ちは、実は自責や罪悪感という、あなた自身の自分への怒りから来ていることがあるからです。

別れや喪失に対する
理不尽さや拒否感
嘆きや相手を責める気持ち
かなしみや絶望
納得のいかない気持ちや恨み
それらを痛感しながらも、もうどうすることもできないという行き場のない強い感情は、行き場を失い、最終的にあなた自身へと向かうことになるんです。
そしてその怒りは元からあなたの心にあったものである可能性もあります。
今の喪失に対してだけの気持ちであれば、喪失に伴う怒りの感情はあなた自身には向きにくいと思います。
何度も何度も同じような想いを経験してきた過去があったからこそ、誰かや外に気持ちをぶつけたところで、何もできない自分の無力さを改めて感じてしまうことになるだけなのだと、思い知らされてきたのではないでしょうか。
何もできない自分に対する怒り、みじめさ、かなしみ、落胆、その気持ちを抱えることがあまりにも苦しすぎるので、今の自分を変えようとするのだと思います。
この自責という自分への怒りの気持ちが、あなたの「この別れを無駄にしないために」という頑張りの根源となっているとしたらどうでしょうか。
この別れを無駄にしたくない想いの根源
この自責という自分への怒りは、今の自分に足りない要素を別れや喪失が教えてくれたのだと思い込身を強めてしまい、自分を変えようとするこの行動は自分を成長させる努力だなのだと信じて、頑張りを止められなくなってしまい無理をしてしまうことがあります。
努力している自分だけを受け入れられるあなたを築き上げていってしまいます。
これは、この別れを無駄にしないために、とあなたが自分で自分の心を追い詰めてしまう状況を作っていきます。
行動の動機が、焦りや焦燥感から来ているからです。
今のダメな自分を変えるために努力している自分だけを受け入れていくのは、そのままの自分ではダメなのだ、という自己否定をどんどん強めていってしまいます。
これは、「ダメな自分」という自分を、誰よりも自分が受け入れてしまっている状態です。
ダメな自分を変えるために自分を変えようとすると、その努力は当然アナタを苦しめます。

頑張っているのに、虚しくなったり、イヤになったり、悲しくなったり、そのように自分は一体何をしているんだろう。と孤独感を感じてしまうのなら、その努力があなたの本当の気持ちを無視しているからだと思います。
それでも、あなたは自分の気持ちを無視したかったわけではないと思います。
そのあなたの自分自身への怒りは、元を辿れば誰かからあなたへと向けられた怒りでもあったからこそ、無視したくても無視できなかったのではないでしょうか。
その怒りを本当は拒否したかったけれど、拒否してしまうとあなた自身が危険に晒され、受け入れるしかなかった状況が、あなたには起こっていたのかもしれません。
だから怒りの気持ちを無視するために、自分を変える努力をしていないと、自分が失敗しているようで、ダメな自分に戻ってしまいそうで、努力を止められなかったのではないでしょうか。
この別れを無駄にしないために、と頑張り続けてしまう努力には、あなたの拒否することができなかった自分に向けられた怒りの存在があったのだと思います。
この焦りや不安の気持ちからの努力の根底には、
両親の不仲
幼少期の過干渉
自分への無関心
という環境があることは多く、子どもである自分が、心理的な部分でお世話していたり、いい子にしていたり、家庭の中でそもそも無理をしてきたという過去が存在していたことがある場合もあります。
今のあなたに必要なこと
そのような環境下が当たり前になると、そもそも人に対して良い感情を持つことができず、
人を求めることが怖い。
人と関わることが怖い。
と感じてきています。
怖いのに、人と関わることができない自分がダメな気がして近づいていく。
人と関わらないと寂しくて寂しさを埋めたくて不安のまま行く。
子どもの話を聞いてほしくても大人の方がもっと大変なのだと怒られ、
子どものことを分かってほしくても大人が助けてくれない現実に傷つき、
やり場のない怒りを抑え込み求める気持ちを封印することで何とか自分を保つことができるのだと経験から学んでいるんです。
だからこそ、怒りや求めている気持ちが出てきてしまうと過去に学んできた
あの思いをまた味わうんじゃないか。
あの不安が戻ってくるんじゃないか。
と不安を感じて、過去の自分とは違う自分に無意識になろうとするのだと思います。
不安に気がついた時に不安から逃げると、不安はより大きくなります。
あなたは今とても不安なのだと思います。
喪失体験をすると、その不安を自分で受け止めきれなくなるのは当たり前のことです。
今のあなたに必要なのは、別れや喪失を自分の糧にすることではなくあなた自身の自責や怒りや不安を知ってあげることだと思います。
だからこそ、過去の心の傷と今の心の傷とを、あなたの心の中で分けてあげることが大切だとわたしは思います。
満たされていない自分を
恥ずかしい
ダメだ
子どもじみている
と受け入れられないのは、あなたが今でもまだ過去を選んでしまっているからかもしれません。
分かってもらえていない過去に怯えているからこそ、今の怯えている自分を誰よりあなたが分かろうとしてあげることが必要な時だと思います。
過去と今、それぞれの心の傷をあなたが心の中で分けていくことで、あなたがあなた自身を受け入れていくこと。
そうすることで、過去の不安にも今の不安にも、あなた自身が逃げずに目を向けられるようになります。
それぞれの心の傷を、それぞれに受け止めていく。
グリーフケアではこれを行います。
あなたがあなたを受け入れていくことこそ、別れや喪失があなたに教えてくれているものだとわたしは思っています。
あなたがあなたに、誰かと共に目を向けていけるように。
どうぞ安心してど相談くださいね。

ご予約はこちら

